契約書のリーガルチェック、受けていますか?
- 企業法務
2024年06月13日
事業に関わる方であれば、取引先などと契約書を交わす機会があると思います。
しかし、「読んでも何のことかよくわからない。」「長年の取引相手だから、あまり内容を見ずに信頼してはんこを押している。」という方も実は多いのではないでしょうか?
今回、実際に寄せられた疑問をもとに、弁護士による契約書のリーガルチェックについて解説いたします。
「当社は食品の卸売業をしている従業員30名ほどの会社です。
今までは、発注書をもらっての対応だったのですが、最近、取引先から「取引基本契約書」の締結を求められることが多くなってきています。
そこで、弁護士に契約書のチェックを依頼しようか悩んでいるのですが、弁護士に依頼することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
また、弁護士に契約書の内容をチェックしてもらう目安などはありますか。」
相談者様のように、取引先から契約書の締結を求められた場合に、弁護士に契約書のチェックを依頼するか否かで悩まれている企業様も多いのではないでしょうか。
たしかに、弁護士に依頼すると費用がかかりますし、弁護士が契約書をチェックした後に、再度、取引先に修正案を示さなければならなくなりますので時間や手間がかかります。しかし、そうしたコストや手間をかけても、弁護士に契約書のチェックを依頼するのには、次のような大きなメリットがあります。
1 弁護士に依頼するメリット
(1)自社にとって不利益な条項がないかどうか確認できる
契約書には、様々な条項が設けられています。そして、取引先から提示された契約書は、取引先に有利な契約内容となっていることが多いため、弁護士に確認をすることで、自社にとって不利な条項がないかを確認できます。
たとえば、契約を解除したいと考えていても、自社からは契約期間中に解約はできないという契約内容になっていたり、途中解約の場合には違約金が発生するというような契約内容になっていたりすることがあり得ます。こうした条項を事前に確認しておくことで、契約を締結してしまう前に、相手方と交渉をし、対等な形で契約を締結することが可能となります。
(2)修正したいがどのように修正したらよいのか分からないという疑問を解決できる
また、自社で確認をして、気になる条項があったとしても、それをどう修正したらよいのか、どう表現したらよいのかという疑問をもたれることもあるかと思います。契約書の独特な文言をどのように変えていいのか全くわからないといったお声もよく聞きます。
この点、弁護士は契約書を作成することに非常に慣れているので、修正したい点を伝えることで、自社の希望する契約内容の修正案を提示することができます。
2 弁護士にリーガルチェックを依頼するかの目安
前述のとおり、弁護士に依頼をするとなると、費用がかかってしまいます。目安としては、簡単な契約書のチェックであれば、相場としては数万円~10万円くらいですが、複雑なものや一から契約書を作成するとなると、それなりの費用がかかってしまうということもあり得ます。
そこで、弁護士に契約書のチェックを依頼するか否かは、
☑取引金額が大きいか小さいか
☑契約の期間が長いか否か
☑継続的な契約か、単発的な契約か
といった観点から検討をしてみるとよいと思います。
例えば、冒頭の例であると、「取引基本契約書」は、原則として長期間継続した取引が行われることが前提ですので、大口の取引先との契約であれば、リーガルチェックの必要性が高いといえるでしょう。
検討の結果、自社にとってこの契約書の重要性が高いと判断された場合は、ぜひ弁護士のチェックを受けることをおすすめします。契約書に思わぬ落とし穴があって、将来困った事態となることを事前に予防することができます。
弁護士法人柴田・中川法律特許事務所では、依頼を受ける前に、事前にお見積もりをお示しすることも可能ですので、契約書関係でお悩みのある方は、まずはお気軽にご相談ください。