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空き家と相続

  • 相続

2025年07月03日

空き家の現状

日本国内の空き家問題は深刻化しています。総務省の調査では、2023年の国内の空き家数は、2018年から51万戸増加した900万戸に上り、過去30年間で見ると約2倍に増加しています。

総住宅数に占める空き家数の割合は13.8%となり、過去最高を記録しています。(なお、空き家率が最も高いのは、和歌山県と徳島県でともに21.2%となっています)

空き家については、老朽化による破損、倒壊といった物理的な危険、雑草の繁茂や害虫の発生といった衛生上の問題、不法侵入や放火といった防犯上の問題等様々な問題があり、空き家が増えるとその地域の地価も下落するといわれています。

相続での注意点

 相続に当たって、相続財産の中に必要のない空き家が含まれる場合、相続人間で押し付け合いになったり、遺産分割手続を行わないまま空き家が放置されてしまい、朽廃してしまうケースも見られます。このような場合、倒壊のおそれや防犯上の危険があるだけでなく、空家等対策の推進に関する特別措置法によって、倒壊の危険がある「特定空家」または特定空家になる危険のある「管理不全空家」として勧告を受けると、住宅用地特例が解除され固定資産税が最大6倍に増える可能性があるなどの大きな影響が生じます。

 遺産分割が未了のまま空き家が放置されることがないよう、早期に遺産分割を行い維持管理についても話し合うべきです。とはいえ、誰も空き家を望んで取得したがらないのが現実だとは思いますが、空き家の問題を残したまま相続人が亡くなり、さらにその子供の代まで相続問題が引き継がれると、相続人の数が増え、相続人の間の関係も希薄になるなど、もっとまとまりにくくなる傾向があります。空き家を取得する人が、維持管理費用として他の相続財産もより多く取得するなどの工夫も必要でしょう。

 なお、空き家を含む相続財産の相続放棄をした場合は、通常は空き家に対する責任を負うことはありませんが、相続放棄後も空き家に事実上住んでいたり利用しているような場合には、「占有」しているものとして、管理責任を負う可能性があることに留意が必要です。

この記事の執筆者

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弁護士(愛知県弁護士会所属)

中川 彩子AYAKO NAKAGAWA

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